雇用保険の基本手当はいくら?賃金日額と給付率のしくみ

【この記事でわかること】
・失業保険(基本手当)の1日あたりの金額の決まり方
・2026年8月1日に変わった上限額と下限額
・もらえる日数が、辞め方と勤続年数でどう変わるか

転職を考え始めると、「もし次が決まる前に辞めたら、失業保険はいくらもらえるんだろう」と気になりますよね。けれど、ハローワークの資料を開くと「賃金日額」「給付率」「所定給付日数」と、聞き慣れない言葉が並びます。
前回の雇用保険は週10時間から加入に|2028年10月適用拡大では、雇用保険に入る人の範囲が広がる話をしました。今回はその続きとして、基本手当の金額と日数のしくみを、厚生労働省とハローワークの資料をもとに整理します。
💡 基本手当の金額は「賃金日額×給付率」で決まる
雇用保険から1日あたりに支給される金額を基本手当日額といいます。もとになるのは賃金日額で、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を、180で割った金額です。賞与(ボーナス)は含みません(ハローワーク「基本手当について」)。
基本手当日額は、この賃金日額のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。賃金の低い人ほど高い率になるしくみです(ハローワーク)。
📅 金額が決まる流れ
賞与は除く
上限・下限あり
およそ50〜80%
給付率は、賃金日額の大きさで次のように区切られています。59歳以下の区切りは次のとおりです(厚生労働省リーフレット)。
| 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 3,203円以上5,480円未満 | 80% | 2,562円〜4,383円 |
| 5,480円以上13,490円以下 | 80〜50% | 4,384円〜6,745円 |
| 13,490円超年齢別の上限まで | 50% | 6,745円〜年齢別の上限額 |
※ 60〜64歳は、5,480円以上12,120円以下が80〜45%、12,120円超が45%です。真ん中の段は、リーフレットに示された計算式(y=0.8w−0.3{(w−5,480)/8,010}w。wは賃金日額)で決まります(厚生労働省リーフレット)。

📈 2026年8月1日に上限額と下限額が上がった
賃金日額と基本手当日額には、上限額と下限額があります。この額は「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増減に合わせて、毎年変わります。2026年(令和8年)8月1日からの額は次のとおりです(厚生労働省リーフレット)。
| 離職時の年齢 | 賃金日額の上限 | 基本手当日額の上限(変更前) | 基本手当日額の上限(変更後) |
|---|---|---|---|
| 29歳以下 | 14,900円 | 7,255円 | 7,450円 |
| 30〜44歳 | 16,540円 | 8,055円 | 8,270円 |
| 45〜59歳 | 18,220円 | 8,870円 | 9,110円 |
| 60〜64歳 | 17,400円 | 7,623円 | 7,830円 |
下限額は年齢に関係なく、賃金日額が3,203円、基本手当日額が2,562円です(変更前は2,411円)(厚生労働省リーフレット)。
厚生労働省は、上限額が使われる例として「29歳で賃金日額が17,000円の人は、上限額(14,900円)が適用されるため、基本手当日額は7,450円」と示しています(厚生労働省リーフレット)。給料が高い人ほど、上限で頭打ちになる点は知っておきたいところです。
自分の賃金日額と基本手当日額は、「雇用保険受給資格者証」の第1面の14欄と19欄に書かれます(厚生労働省リーフレット)。
📅 もらえる日数は「辞め方」と「勤めた年数」で変わる
基本手当をもらえる日数を所定給付日数といいます。離職したときの年齢、雇用保険に入っていた期間、離職の理由で決まり、90日から360日の間です(ハローワーク)。
📝 自己都合など、一般の離職者の場合
| 雇用保険に入っていた期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 90日(※) |
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
※ ハローワークの表では、1年未満の90日に「特定理由離職者は被保険者期間が6か月(離職以前1年間)以上あれば受給資格を得られる」と注記されています。一般の受給資格は、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です(ハローワーク「基本手当の所定給付日数」・ハローワーク「基本手当について」)。
📝 倒産・解雇など(特定受給資格者)の場合
倒産や解雇などで、再就職の準備をする時間がないまま離職した人(特定受給資格者)や、一部の特定理由離職者は、日数が手厚くなります(ハローワーク)。
| 年齢 | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ― |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
※ 出典:ハローワーク「基本手当の所定給付日数」。一部の特定理由離職者が特定受給資格者と同じ日数になるのは、離職の日が2009年3月31日から2027年3月31日までの人に限られます。障害のある方など「就職困難者」は別の日数が定められています。

🔍 公務員から転職した私が、いま雇用保険を気にする理由
私は国税で働いていたあいだ、雇用保険には入っていませんでした。国家公務員は雇用保険の対象から外れているためで、その事情は自己都合退職の失業保険、給付制限は1ヶ月に短縮|公務員と民間の違いで整理しています。民間に移ってからは雇用保険に入っているので、この記事の金額と日数は、いまの私にもそのまま当てはまる話です。
転職を考えるとき、基本手当は「次が決まらなかったときの支え」です。上の表のとおり、自己都合で辞めた場合の日数は、勤めた年数が10年未満なら90日です。辞める前に、自分の日数と1日あたりの上限額を知っておくだけで、転職活動の計画の立て方が変わります。
なお、自己都合で辞めた場合は、すぐには支給が始まらない「給付制限」があります。その期間は上の記事で詳しく説明しています。
✅ この記事のポイント
- 賃金日額は、離職直前6か月の毎月きまった賃金(賞与を除く)の合計÷180
- 基本手当日額は賃金日額のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)。賃金が低いほど率が高い
- 2026年8月1日から、基本手当日額の上限は30〜44歳で8,270円、45〜59歳で9,110円など。下限は2,562円
- 所定給付日数は、自己都合など一般の離職者で90〜150日、倒産・解雇などでは最大330日
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📝 まとめ|辞める前に「日額の上限」と「日数」を確かめよう
基本手当の1日の金額は、直前6か月の賃金から出す賃金日額に、50〜80%の給付率をかけて決まります。2026年8月1日からは上限額と下限額が上がり、給料が高い人ほど上限で頭打ちになります。
もらえる日数は、辞め方と勤めた年数で大きく変わります。転職を考えているなら、辞める前に自分がどの欄に当てはまるかを確かめておくと安心です。
税金や制度の手続きは、自分で学ばないと、だれも教えてくれません。このブログをきっかけに学ぼうと思っていただけると嬉しいです。
次回は「再就職手当とは?支給の条件と、基本手当日額の上限が使われるしくみ」について解説予定です。お楽しみに!


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