育児休業給付の上限額が2026年8月に改定|手取り10割のしくみと申請手続き

【この記事でわかること】
・育児休業給付が「手取り10割相当」になるしくみ
・2026年8月1日に改定された支給上限額(改定前との比較)
・同じ日に見直された申請手続き3点

「育休中でも手取り10割もらえるって聞いたけど、また制度が変わるの?」——ニュースやSNSで断片的な情報を目にして、そんなモヤモヤを抱えている方も多いのではないでしょうか。
2026年8月1日、育児休業給付の支給上限額が改定され、あわせて申請手続きも見直されました。
今回は、元国税職員として資料で確かめた「本当に変わったこと」を整理します。
📌 2026年に変わったこと|8月1日の2つの改定
結論からお伝えすると、2026年に変わったのは次の2つです。どちらも2026年8月1日からの話です。
- 育児休業等給付の支給上限額の改定(出典:厚生労働省「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります。」)
- 育児休業等給付の申請手続きの見直し(出典:厚生労働省「育児休業等給付の申請手続きを見直します」)
申請手続きの資料には、見直しの目的が「育児休業等給付の申請手続きを行いやすくするため」と書かれています。つまり、もらえる割合を変える改正ではなく、上限額の定期的な見直しと、書類まわりを楽にする改正です。

👶 手取り10割のしくみをおさらい|67%+13%=80%
「手取り10割」の正体は、2025年4月1日に創設された出生後休業支援給付金です(出典:厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」2026年8月1日改訂版)。通常の育児休業給付(給付率67%)に、最大28日間だけ13%が上乗せされます。
給付率は、出生直後の最大28日間が80%(育児休業給付67%+出生後休業支援給付13%)、育休開始から180日目までが67%、181日目以降が50%です(出典:厚生労働省「2025年4月から 出生後休業支援給付」・同「育児休業等給付の内容と支給申請手続」)。
なぜ80%で「手取り10割」なのか。厚生労働省のリーフレットは、育休中は申出により健康保険料・厚生年金保険料が免除され、給与が出ていなければ雇用保険料の負担もなく、さらに育児休業等給付は非課税であるため、「休業開始時賃金日額の80%の給付率で手取り10割相当の給付となります」と説明しています。
もらうための条件(出生後8週間以内に両親とも14日以上の育児休業を取ること、配偶者が専業主婦(夫)やひとり親の場合の例外など)は、育休延長の手続きが厳格化【2025年4月改正】落選狙いはNG?出生後休業支援給付金で手取り10割の条件で詳しく整理しています。
💡 私の育休3回を今の制度に当てはめると
私は育休を3回(3日・1か月・4か月)取りました。1回目はわずか3日です。仮にいま会社員として同じ3日の育休を取った場合、「14日以上」に届かないため、13%の上乗せは受けられない計算になります。
「何日取るか」で給付が変わる。これが今の制度のいちばん大事なポイントだと、振り返ってみて改めて感じます。
💴 2026年8月1日から育児休業給付の上限額が改定
厚生労働省のリーフレットには「ただし、支給額には一定の上限がありますのでご留意ください」と書かれています。つまり、休業前の給料が上限を超えている人は、80%をまるごと受け取れるわけではありません。
この上限額は、毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに変更されます(出典:厚生労働省「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります。」)。2026年8月1日の改定内容は次のとおりです。
| 項目 | 改定前 | 2026年8月1日から |
|---|---|---|
| 休業開始時の賃金月額の上限 | 483,300円 | 496,200円 |
| 育児休業給付金(67%)の上限 | 323,811円 | 332,454円 |
| 育児休業給付金(50%)の上限 | 241,650円 | 248,100円 |
| 出生時育児休業給付金(67%)の上限 | 302,223円 | 310,290円 |
| 出生後休業支援給付金(13%)の上限 | 58,640円 | 60,205円 |
出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります。」(育児休業給付金は支給日数30日、出生時育児休業給付金・出生後休業支援給付金は休業28日の場合の額)
育児休業給付金(67%)の上限は、改定前より8,643円上がりました(332,454円-323,811円)。手引きでは、休業開始時賃金日額の上限額が16,540円(令和9年7月31日までの額)と示され、次のような計算例が載っています。
🧮 手引きに載っている計算例(賃金日額10,000円・賃金なしの場合)
- 育児休業給付金:10,000円×30日×67%=201,000円
- 出生後休業支援給付金:10,000円×28日×13%=36,400円
- 出生後休業支援給付金の上限:16,540円×28日×13%=60,205円
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13%上乗せ創設
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📝 育児休業等給付の申請手続きも3点見直し
上限額と同じ2026年8月1日から、申請手続きも見直されました。厚生労働省の資料は、雇用保険の被保険者だけでなく、人事労務担当者・社会保険労務士にも向けて出されています。
| 見直しの対象 | 従来 | 2026年8月1日から |
|---|---|---|
| 出生時育児休業給付金で申告する賃金 | 休業期間を対象として支払われた賃金 | 休業期間中に支払日のある賃金(申請の早期化のため) |
| 出生後休業支援給付金で母親が申請するときの配偶者の確認書類 | 父親が申請する場合は母子健康手帳の写しを提出できた | 母親が申請する場合も、父親と同様に母子健康手帳の写し(出生済証明のページ)を提出できる |
| 育児時短就業給付の要件確認 | 母子健康手帳の写し等をあらためて提出 | 同じ子で育児休業給付を受給済みなら再提出は不要 |
出典:厚生労働省「令和8年8月1日から 育児休業等給付の申請手続きを見直します」(1点目は2026年8月1日以降に開始する出生時育児休業が対象)
2点目について、母子健康手帳の写しで確認できない場合は、世帯全員が記載された住民票等の提出を求められる場合があると注記されています。3点目では、フレックスタイム制・変形労働時間制・シフト制の人の週所定労働時間の計算方法も一部見直されました。
税金の手続きでもそうですが、制度を知っていても、書類がそろわなければ使えません。育休に入る前に、会社の担当者と「どの書類を誰が用意するか」を一度すり合わせておくと安心です。
厚生労働省は、自分が出生後休業支援給付の対象になるかを確かめられる「出生後休業支援給付の簡易診断(要件確認)ツール」を公開しています。父親・母親などの立場を選んで進めるだけなので、育休の日数を決める前に一度試してみてください。
✅ この記事のポイント
- 手取り10割相当=育児休業給付67%+出生後休業支援給付13%(最大28日・原則両親とも14日以上)
- 2026年8月1日に上限額を改定(育児休業給付金67%の上限は323,811円→332,454円)
- 給料が上限を超える人は80%をまるごとは受け取れない
- 同じ日に申請手続きも3点見直し(賃金の申告・配偶者の確認書類・時短給付の書類)
🌱 まとめ
育児休業給付の「手取り10割」は、2025年4月に始まった13%の上乗せ(出生後休業支援給付金)によるものです。2026年8月1日には上限額が改定され、申請手続きも見直されました。特に給料の高い方は上限額によって80%に届かない場合がある点に注意が必要です。自分で学ばないと、だれも教えてくれないからこのブログをきっかけに学ぼうと思っていただけると嬉しいです。
次回は「勤労学生控除が163万円に緩和|学生バイトの壁を整理」について解説しています。


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