大学無償化、子ども3人で対象に|多子世帯の授業料減免を解説

【この記事でわかること】
・「多子世帯の大学無償化」とはどんな制度か
・「子ども3人以上」の数え方と所得制限の有無
・国公立・私立でいくら減免されるか
・見落としがちな「支援が止まる」落とし穴

「うちは子どもが3人。大学まで行かせるとなると、一体いくらかかるんだろう…」
わが家も3人の子どもがいるので、この不安は正直、他人事ではありません。教育費は子育て世帯にとって一番大きな悩みのひとつですよね。
実は2025年度(令和7年度)から、子どもを3人以上扶養している世帯は、所得に関係なく大学等の授業料・入学金が減免される制度がすでに始まっています。「聞いたことはあるけど、うちが対象かよくわからない」という方のために、元国税局職員・3児の父の視点で、対象条件と金額、そして見落としやすい注意点を整理します。
多子世帯の大学無償化とは?
正式には「高等教育の修学支援新制度」の多子世帯特例といいます。文部科学省の資料によると、対象と支援内容は次のとおりです。
- 対象:扶養する子どもが3人以上の世帯
- 所得制限:授業料・入学金の減免については所得制限なし(資産合計が3億円未満であることは条件)
- 開始:2025年度(令和7年度)から
- 支援方法:現金が振り込まれるのではなく、大学等の請求額から直接減額される
文部科学省の資料には、私立大学に通う場合の目安として「4年間で最大70万円×4年+入学金26万円」という試算が明記されています(文部科学省PDF)。単純計算で合計306万円、これが減免される可能性があるわけです。
2023年度までは世帯年収の目安が380万円程度に限られ、2024年度の拡充で600万円程度まで引き上げられていましたが、2025年度からはこの所得の壁自体がなくなった点が最大の変更点です。

「扶養する子ども3人以上」の数え方
ここでいう「扶養」は、実際の子どもの人数ではなく税法上の扶養(住民税の扶養親族としてカウントされる人数)で判定されます。日本学生支援機構(JASSO)が生計維持者と学生本人のマイナンバーを通じて、毎年12月31日時点の情報を確認する仕組みです。
| 判定の時期(給与収入を見る年) | 19歳未満・23歳以上の給与収入 | 19歳以上23歳未満の給与収入 |
|---|---|---|
| 2026年9月以前の判定(2024年分) | 103万円以下 | 103万円以下 |
| 2026年10月〜2027年9月の判定(2025年分) | 123万円以下 | 160万円以下 |
| 2027年10月以降の判定(2026年分) | 136万円以下 | 169万円以下 |
- 年齢は、給与収入を見る年の12月31日時点で判定します。
- 19歳以上23歳未満の子については、生計維持者(親)が特定親族特別控除の申告をしておく必要があります。
- 申し込む本人以外のきょうだいで特定親族特別控除の対象となる子は、マイナンバーの情報に加えて、学校を通じて提出する申告書で確認されます(令和8年度住民税を用いる判定から)。
出典:文部科学省 多子世帯支援FAQ(問3-3・問3-10)
大学院生も「扶養されている」状態であればカウントに含められます。一方で、アルバイト収入がこの基準を超えると扶養から外れ、子どもの人数のカウントも減ってしまうため注意が必要です。
いくら減免される?学校種別の上限額一覧
減免される金額は、学校の種類・国公立か私立かによって国が上限額を定めています。
| 学校種別 | 国公立・入学金 | 国公立・授業料 | 私立・入学金 | 私立・授業料 |
|---|---|---|---|---|
| 大学 | 28万円 | 54万円 | 26万円 | 70万円 |
| 短期大学 | 17万円 | 39万円 | 25万円 | 62万円 |
| 高等専門学校(4・5年) | 8万円 | 23万円 | 13万円 | 70万円 |
| 専門学校 | 7万円 | 17万円 | 16万円 | 59万円 |
出典:文部科学省「令和7年度から、子供3人以上の世帯への大学等の授業料等の無償化を拡充しています!」(問4-1)
注意したいのは、授業料がこの上限額を超える場合、差額は自己負担になる点です。また、支援の対象は授業料・入学金に限られており、施設整備費・実習費など学校が別途徴収する費用は自己負担になります。
要注意:支援が途中で終わるケース
文部科学省のFAQ(問3-2)には「第1子が卒業等により扶養から外れ、扶養する子供の数が2人となった場合は、本制度における『多子世帯』ではなくなるため、多子世帯としての支援は終了します」とはっきり書かれています。
ただし、扶養から外れたその月に支援が止まるわけではありません。同じFAQの問3-5によると、支援を受け始めた後は毎年10月に、前年12月31日時点の扶養状況で子どもの数を確認します。そのため、第1子が3月に卒業して4月に就職しても、その4月に支援対象から外れることはないとされています。
📅 タイムラインで見る(FAQ問3-5の例)
第1子が卒業
就職しても即終了しない
第2子以下は支援対象となり得る
ケースによって結果が変わるので、表で整理します。
| 状況 | 下の子への支援 |
|---|---|
| 第1子(大学生)・第2子・第3子を同時に扶養 | 在学中の子は全員対象 |
| 第1子が大学院生でも、引き続き扶養されている | 扶養人数は3人のまま→対象継続 |
| 第1子が就職・収入増で扶養から外れる | 扶養人数が2人に減ると、その後の毎年10月の確認で多子世帯に当たらなくなり、在学中でも支援終了(外れた月にすぐ止まるわけではない) |
わが家のように3人の子どもの年齢差がある家庭ほど、「一番上が独立するタイミング」と「一番下の進学時期」の両方を意識しておく必要があります。制度が使えると思って進学計画を立てていたのに、直前で条件から外れていた、ということがないようにしたいところです。

申請方法:いつ・どこに申し込む?
申請窓口は、在籍する(または進学予定の)学校の学生窓口(奨学金担当窓口)と、日本学生支援機構(JASSO)の「スカラネット」です。
- 予約採用:高校3年生の4月下旬から、在籍校を通じて申し込み
- 在学採用:進学後、春(4月から)と秋(9月から)の年2回、大学等を通じて申し込み(締切日は学校ごとに異なります)
マイナンバーの登録が必須なので、マイナンバーカードなど番号がわかるものを事前に用意しておくとスムーズです。
✅ この記事のポイント
- 2025年度から、子ども3人以上を扶養する世帯は所得制限なく授業料等が減免される
- 私立大学なら年70万円・入学金26万円、国公立なら年54万円・入学金28万円が上限
- 「3人以上を同時に扶養している間」だけの制度。上の子が扶養から外れると、毎年10月の確認を経て支援が終わる(外れた月にすぐ止まるわけではない)
- 申請は在籍校+JASSOのスカラネット。マイナンバー登録が必須
📚 あわせて読みたい
【PR】お子さんの教育費の備え方に迷っている方には、学資保険について無料で相談できるサービスもあります。
まとめ
子どもが3人以上いる世帯にとって、大学の学費が所得制限なく減免されるのは心強い制度です。ただし「3人を同時に扶養している間」という条件があるため、我が家のように年齢差のある兄弟姉妹がいる場合は、いつまで対象になるのかを早めに確認しておくことをおすすめします。
制度は知っているだけでは意味がありません。対象になりそうな方は、在籍校の奨学金窓口かJASSOの公式サイトで、ご自身の家庭が最新の要件を満たしているか、一度確認してみてください。自分で学ばないと、だれも教えてくれないからこのブログをきっかけに学ぼうと思っていただけると嬉しいです。


最後まで読んでくれてありがとう
資料集めやサーバー代など、ブログ作成には費用がかかっています。応援していただいた分は、次の記事づくりに大切に使わせていただきます。またブログに遊びに来てくださいね。
応援する【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の個人・法人に対する税務・法律・社会保険上のアドバイスではありません。記載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本記事を参考にした判断・行動による損害について当サイトは責任を負いかねます。個別の判断・手続きについては、税理士・社会保険労務士・弁護士・ファイナンシャルプランナーなど各分野の専門家にご相談ください。記載内容は2026年9月時点の情報に基づいており、法改正・制度改正等により変更となる場合があります。







