相続・登記

相続に使える新制度!所有不動産記録証明制度を徹底解説

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📌 この記事でわかること
  • 「所有不動産記録証明制度」とはどんな制度か
  • 誰が・どこで・いくらで使えるか
  • 相続登記の義務化との関係
  • 元・国税局係長が語る実務での活用シーン
  • 制度の注意点(検索対象外になるケース)

「父が亡くなって、相続手続きを始めようとしたら——土地がどこにあるのか全然わからない。」

こういった声は、相続の現場では珍しくありません。特に複数の不動産を持っていた方の場合、預金口座の残高は通帳でわかっても、不動産は権利証が散逸していたり、そもそも本人以外に全貌を把握している人がいなかったりすることが多いです。

そんな悩みを解消するために、2026年2月2日から「所有不動産記録証明制度」がスタートしました。📌

日本の伝統的な家屋・相続の舞台となる不動産のイメージ

📋 所有不動産記録証明制度とは?

所有不動産記録証明制度とは、登記記録に基づき、ある人が所有権の登記名義人となっている不動産の一覧を証明書として取得できる制度です(出典:法務省 所有不動産記録証明制度について)。

従来は、被相続人が「どこにどんな不動産を持っていたか」を調べるには、固定資産税の納税通知書をたどる・権利証を探す・心当たりのある市区町村へ個別に問い合わせるといった作業が必要でした。全国に複数の不動産がある場合は特に大変でした。

この制度を使えば、全国の法務局の登記記録から一括で検索・証明してもらうことができます。

ライオン
なんで今さら?相続登記の義務化と何か関係があるの?
トラ
バッチリ関係あるよ。2024年4月から相続登記が義務化されたけど、「何を登記すればいいかわからない」という声がすごく多かった。だからこそ、まず全国の不動産を一括で確認できる制度が必要になったんだ。

📅 相続登記の義務化との関係

2024年4月1日から、相続により不動産を取得した相続人は3年以内に登記申請することが義務化されました(改正不動産登記法)。

ところが、いざ相続登記をしようとすると「被相続人がどこに不動産を持っていたかわからない」という問題が浮上します。登記漏れを防ぐためには、まず全ての不動産を把握することが前提になります。

所有不動産記録証明制度は、まさにこのギャップを埋めるために設けられた制度です。なお相続登記の義務化については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

書類・署名・相続手続きのイメージ

👤 誰が・どこで・いくらで使える?

ライオン
これって誰でも使えるの?費用はどのくらいかかる?
トラ
「所有権の登記名義人」本人とその相続人等が使えるよ。費用は申請方法によって少し違う。表でまとめてみるね。
申請方法 手数料(検索条件1件・1通あたり)
書面申請(窓口・郵送) 1,600円
オンライン申請(郵送受取) 1,500円
オンライン申請(窓口受取) 1,470円

(出典:法務省 所有不動産記録証明制度について

💡 申請先は全国の法務局でOK。 全国の登記記録が一括検索されるため、「東京の法務局に申請しているのに大阪の不動産が漏れる」といったことがありません。

⚠️ 注意:検索対象外になるケース
法務省の公式説明によると、登記簿がコンピュータ化されていない不動産は検索結果として抽出されません。また、所有権の登記がない不動産(表示登記のみの建物等)も対象外です。心当たりがある場合は、市区町村の固定資産税の納税通知書や、法務局への個別問い合わせを併用してください。

🔑 元・国税局係長が語る「実務での活用シーン」

不動産・相続・資産管理のイメージ
ライオン
実際に使うとしたら、どんな場面で役立つの?
トラ
大きく分けると「相続開始後すぐに全不動産を把握したい」「生前対策として自分の不動産を整理したい」の2パターンだよ。

私は前職で相続・贈与・譲渡などの資産税を担当し、現在も遺言信託の実務に関わっています。その経験から言えば、この制度が一番力を発揮するのは「相続財産の全貌把握」の段階です。

活用シーン 具体的な使い方
相続開始後の財産調査 被相続人(故人)名義の不動産を全国一括で把握。権利証が見つからなくても使える
相続登記義務化への対応 3年以内の登記申請義務を果たすための「登記すべき不動産リスト」として活用
生前の資産整理 自分が所有権名義人となっている不動産を一覧化。遺言書作成・家族信託の設計時に役立つ
遺産分割協議の準備 相続人全員で「何が財産か」を共有するための客観的な証明書として使える

特に「相続人が複数いて誰も不動産の全体像を把握していない」ケースでは、法務局に1通申請するだけで全国の所有不動産が一覧できるのは大きなメリットです。

✅ 今すぐできる3つのアクション

  1. まずは最寄りの法務局に確認する —— 書面申請なら窓口または郵送で申請できます。手数料1,600円(検索条件1件1通)
  2. オンライン申請も検討する —— 手数料が1,470〜1,500円と少し安くなり、郵送受取にも対応
  3. 生前に自分の不動産を整理しておく —— 自分が名義人のうちに証明書を取得しておくと、相続人の負担が大幅に減ります
📝 ポイントまとめ
・所有不動産記録証明制度は2026年2月2日施行(出典:法務省)
・全国の不動産を一括で証明書として取得できる
・申請できるのは所有権の登記名義人・相続人等
・手数料は書面1,600円/オンライン郵送1,500円/オンライン窓口1,470円(検索条件1件1通あたり)
・相続登記義務化(2024年4月1日施行)の「登記漏れ防止」とセットで活用できる
・コンピュータ化されていない不動産は検索対象外

📖 まとめ

「どこに何があるかわからない」——相続の場で何度も聞いてきたこの言葉が、所有不動産記録証明制度によってかなり解消されます。

1通1,470〜1,600円で全国の不動産を一括把握できる制度は、相続人にとっても、生前整理をしたい方にとっても、使い勝手の高いツールです。

自分で学ばないと、だれも教えてくれない。このブログがそのきっかけになれば嬉しいです。

次回は「不動産を持っているなら要チェック!住所変更登記の義務化(2026年4月1日施行)」をお届けします。引越しや住所変更をした方が対象で、2年以内に登記しないと5万円以下の過料の可能性があります(出典:法務省 住所等変更登記の義務化について)。お楽しみに!

ライオントラ

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みるきー
みるきー
≫脱≪安定を求めし者
税務署・国税局に通算16年超勤務し、税務調査担当係長等を歴任。相続・贈与・譲渡といった資産税の実務にも精通。現在は民間企業へのキャリアチェンジも経験し、信託関係の事務に従事しています。「お金のことって、自分で学ばないと誰も教えてくれない」——そんな実感から、このブログを始めました。3人の子育てを経験しながら、育休も3回取得。転職・税金・子育てという、30代・40代がリアルに向き合うテーマを、むずかしい言葉を使わず、スキマ時間で読めるブログとしてお届けしています。【保有資格】1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)/宅地建物取引士/一種外務員資格/家族信託専門士
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