相続・登記

【2026年6月成立】成年後見制度の大改正を元・国税局係長がわかりやすく解説|後見・保佐が廃止に

2026年6月成立 成年後見制度の大改正を元・国税局係長がわかりやすの記事アイキャッチ画像|ミルキー式MONEYSCHOOL
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この記事でわかること
・2026年6月17日に成立した成年後見制度の大改正ポイント
・「後見人」「保佐人」という区別がなくなり「補助人」に一本化
・「一度使ったら死ぬまでやめられない」終身制が廃止に
・施行はいつ?今から準備できること

「親が認知症になったら後見人をつけないといけないの?」「後見人・保佐人・補助人って何が違うの?」——そんな疑問を持つ方は多いと思います。

その成年後見制度が、2026年6月17日に約26年ぶりの大改正を迎えました(第221回国会・閣法第43号成立)。後見・保佐が廃止され補助に一本化、そして「事実上の終身制」が撤廃されます。元・税務署職員として相続・財産管理の場面で何度も関わってきた制度の大転換を、わかりやすく解説します。

そもそも成年後見制度って何?

家族で高齢者を支援するイメージ。成年後見制度の改正について解説

成年後見制度とは、認知症・知的障がい・精神障がいなどにより判断能力が不十分な方を、家庭裁判所が選んだ支援者(後見人等)が財産管理や契約行為をサポートする制度です。2000年に現行制度がスタートしました。

現行では判断能力の程度によって3つの類型に分かれています。

現行の類型 対象 支援者
後見 判断能力を欠く常況 後見人
保佐 判断能力が著しく不十分 保佐人
補助 判断能力が不十分 補助人

出典:法務省民事局「法定後見制度の見直しの概要」(令和8年1月)

今回の改正でどう変わる?5つのポイント

天秤・正義のイメージ。成年後見制度の改正ポイントを解説
ライオン
後見人・保佐人・補助人って3種類あるのに、なくなるってどういうこと?
トラ
「後見」と「保佐」という制度が廃止されて、「補助」に一本化されます。後見人・保佐人という名称もなくなって、全員「補助人」になる。判断能力の程度で機械的に分けるのをやめて、その人に必要な支援の内容で柔軟に設計できるようになるんです
ポイント 現行 改正後
① 制度の種類 後見・保佐・補助の3類型 補助のみ(後見・保佐は廃止)
② 支援者の名称 後見人・保佐人・補助人 補助人・特定補助人
③ 終身制 事実上の終身制(判断能力が回復するまでやめられない) 家裁の判断で途中終了可能
④ 支援の範囲 類型ごとに固定 特定の行為だけに限定できる(オーダーメード型)
⑤ 報告義務 規定なし 補助人が年1回家裁へ状況報告

出典:法務省民事局「法定後見制度の見直しの概要」(令和8年1月)/日本経済新聞「成年後見、終了可能に 改正民法成立、行為限定も認める」(2026年6月18日)に基づく

「終身制」廃止が最大の改正点

現行制度の最大の問題点は「一度使い始めたら、ほぼやめられない」という終身制でした。判断能力が回復しない限り制度を終わらせることができず、「軽度の認知症で補助人をつけたら、死ぬまで続く」というケースが多くありました。

改正後は、家庭裁判所が必要性を判断して制度を途中で終了できる規定が新設されます。また補助人は年1回、家裁へ本人の状況を報告する義務が課されます。これにより「本当に必要な期間だけ使う」制度に近づきます。

「特定の行為だけ」支援できるオーダーメード型に

ライオン
たとえばどんなケースで使うの?
トラ
例えば「不動産の売買だけサポートしてほしい、日常の買い物は自分でできる」という場合、改正後は不動産売買の代理権だけを補助人に付与する設計ができます。現行の「後見」だと日常行為以外すべての取消権が付いてしまって、本人の自由が大きく制限されていたんです

この「必要な支援の内容で選ぶ」という発想の転換が、今回の改正の核心です。本人の意思と自由を最大限尊重しながら、本当に必要な部分だけ支援する制度になります。

施行はいつ?今からできる準備

高齢者がノートに記録するイメージ。成年後見制度の施行と今後の準備

改正民法は2026年6月17日に成立しましたが、施行は公布から2年6か月以内(2028年度中が見込み)です。まだ現行制度が続きます。

今からできる準備として、以下の3点を整理しておくことをお勧めします。

  1. 家族で財産管理の話し合いをしておく:誰が、どの範囲で支援するかを事前に確認。新制度では「何を支援してほしいか」を明確にすることが重要になります。
  2. 任意後見契約を検討する:判断能力があるうちに自分で後見人を選んでおく「任意後見」は引き続き有効です。新制度との関係も改正で整理されます。
  3. 専門家に早めに相談する:司法書士・弁護士・社会福祉士など、後見制度に詳しい専門家への相談窓口は各都道府県の「成年後見センター」や家庭裁判所でも案内しています。
まとめ
・2026年6月17日、第221回国会で成年後見制度の大改正民法が成立
・「後見」「保佐」が廃止され、「補助」に一本化(後見人・保佐人の名称もなくなる)
・「事実上の終身制」が廃止→家裁の判断で途中終了可能に
・特定の行為だけに限った支援ができる「オーダーメード型」へ
・補助人は年1回家裁へ状況報告が義務化
・施行は2028年度中見込み。現行制度はまだ続く
次回予告
次回は「育児休業給付金の延長要件の見直し」について解説します。2025年4月から施行された新ルールで、延長できる条件が変わりました。育休中・育休を検討中の方は要チェックです。お楽しみに!
ライオントラ

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の個人・法人に対する税務・法律・社会保険上のアドバイスではありません。記載内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本記事を参考にした判断・行動による損害について当サイトは責任を負いかねます。個別の判断・手続きについては、税理士・社会保険労務士・弁護士・ファイナンシャルプランナーなど各分野の専門家にご相談ください。記載内容は2026年6月時点の情報に基づいており、法改正・制度改正等により変更となる場合があります。

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みるきー
みるきー
≫脱≪安定を求めし者
税務署・国税局に通算16年超勤務し、税務調査担当係長等を歴任。相続・贈与・譲渡といった資産税の実務にも精通。現在は民間企業へのキャリアチェンジも経験し、信託関係の事務に従事しています。「お金のことって、自分で学ばないと誰も教えてくれない」——そんな実感から、このブログを始めました。3人の子育てを経験しながら、育休も3回取得。転職・税金・子育てという、30代・40代がリアルに向き合うテーマを、むずかしい言葉を使わず、スキマ時間で読めるブログとしてお届けしています。【保有資格】1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)/宅地建物取引士/一種外務員資格/家族信託専門士
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